貴方のパートナーが浮気をしている疑いがあったら、浮気について調べたいと思うのが一般的だと思います。
パートナーが浮気しているのを調べるとき、自分でパートナーの浮気を調べることもできますが、探偵に浮気調査を依頼してパートナーの浮気を調べてもらうという方法もあります。
探偵は浮気調査をするプロですから、自分で浮気調査をやるよりも確かな浮気の証拠を手に入れられる可能性は高くなります。
では、パートナーの浮気を調べるのはすべて探偵に任せてしまって良いのか？と言われると、そうとも言い切れません。
探偵の浮気調査は、様々な方法を使って調査対象者の浮気を調べますが、間違った方法で浮気調査を行っている探偵も居ます。
浮気調査の間違った方法とは、法令や条例に違反する違法な方法であり、この違法な方法を使って調べた浮気の証拠は法廷では、正式な浮気の証拠としては認められません。
浮気調査を依頼する方は、探偵が浮気調査を間違った方法で行っていないか、違法な浮気調査について知る必要があります。
まず、探偵が浮気調査を行うこと自体は合法です。
ほとんどの探偵は、探偵業法という法律を遵守して、その規定に則って浮気調査は行われています。
探偵業に必要な規定を定めた法律です。
これは探偵が調査業務を適正に行うため、依頼者と探偵の間でトラブルが起こらないようにするための法律です。
探偵業法によって探偵は民間の調査業者として調査活動を行うことが認められています。ですから、探偵が浮気調査を行うのは合法です。
しかし、探偵が民間の調査機関だからといって、探偵に特別な権限があるわけではありません。
例えば、警察は日本の捜査機関であり、犯罪行為の取締、事件や事故の捜査、犯人の逮捕など捜査権限など特別な権限を持っています。
一方で探偵は探偵業法によって調査を行うことが認められていますが、警察のような捜査権限などの特別な権限を何一つ持っていません。
そのため、探偵の調査では、各種法令や条例に反しない範囲での調査を行う必要があります。
では、どのような行為が法令や条例に違反する浮気調査の調査方法なのか、その事例をいくつかご紹介したいと思います。
一般的に、他人の家や他人が所有する敷地内へ無断で侵入する行為は不法侵入として違法行為になります。
たとえ探偵が浮気調査のために、他人の住居に入る必要があったり、他人が管理する敷地内へ侵入する必要があったとしても、探偵が住居や敷地内に侵入すれば不法侵入となります。
浮気調査での不法侵入の事例として、『調査対象と浮気相手が一緒に居る現場の写真を撮影するために、２人がカメラのフレームに収まる撮影ポイントを探しているうちに、他人の住宅の庭に調査員が侵入して、その庭から撮影を行った。』
これは、庭を所有する人に許可をもらって庭に入っていないため不法侵入ということになります。
浮気調査の方法として、パートナーが浮気相手と会っているところを盗撮カメラを仕掛けて確認したり、パートナーの車に盗聴器を仕掛けて浮気相手との会話を盗聴するといった手段が使われることがあります。
調査対象者と依頼者が夫婦であり、夫婦が共有する自宅や自家用車に依頼者がカメラを仕掛けたり、盗聴用のボイスレコーダーを仕掛けるのは違法ではありません。
ですが、探偵が他人の住居や車に侵入して、盗撮カメラや盗聴器を仕掛けるのは違法行為となります。
浮気をしているパートナーの居場所を調べるために、パートナーの持ち物にGPSを仕掛けたり、パートナーのスマートフォンにGPSアプリをインストールして現在地を調べるという方法が使われることがあります。
他人の持ち物を勝手に持ち出して、GPS機器を仕掛けるために他人の持ち物を改造する行為は、器物損壊罪に違反する場合があります。
他人のスマートフォン（またはPC等の電子機器）に、持ち主の許可なくソフトをインストールする行為は正指令電磁的記録供用罪に違反します。
また、パートナーや恋人が保有するメールアドレスのアカウントIDやパスワードを盗み見て覚え、許可なくメールを覗き見したりする場合は不正アクセス禁止法に違反します。
浮気調査を行ってパートナーの浮気相手の素性を知りたいという場合があります。
浮気相手のより詳細な情報を手に入れるために、その浮気相手の戸籍や住民票を役所で取得したら良いと考える人もいるかもしれませんが、他人の戸籍謄本や住民票を本人の委任がなく、正当な理由もないのに取得することはできません。
浮気調査のために必要というのは正当な理由でないため、他人の戸籍謄本や住民票を取得することはできません。
また、正当な理由があったとしても、探偵が他人の戸籍や住民票を取得する手続きを行うことはできません。
浮気調査では、調査対象者を尾行するために調査員が車やバイクに乗って尾行するのは珍しくありません。
この車やバイクを使った尾行中は、道路交通法に違反するような行為を探偵は行なえません。
例えば、調査対象者を追いかけるため、近くに駐車場がなく駐車禁止区間で車を駐車した場合は駐車違反になります。
また、車で尾行中に一方通行の道路を逆走したり、バイクや車の侵入が禁止されている道路に侵入するのも、道路交通法に違反します。
浮気調査でよくある道路交通法違反には、調査対象者の車を追いかけるために信号無視してしまうケースもあります。
違法な浮気調査に該当する行為についていくつかご紹介しましたが、これらの違法行為はまっとうな探偵なら違反しないように注意して浮気調査を行い、実際に浮気調査を行う調査員には厳しく指導を行っています。
ですが、浮気調査を依頼される方で、パートナーの浮気行為で追い詰められ、気持ちに余裕がなくなり、違法な手段でも良いから浮気の証拠を手に入れたいという人もいます。
このような依頼者のなかには、「ちょっとぐらい大丈夫」、「バレなければ良い」という考えを持って、探偵に違法な手段を使った浮気調査を勧める人がいます。
違法な手段を使えば、浮気の証拠を手に入れることができるかもしれませんが、その違法行為が相手に知られてしまったり、調査を行っている探偵が法令違反で警察から逮捕や取り締まりを受けるリスクがあります。
また、違法行為によって手に入れた浮気の証拠は、裁判になったとき法廷に証拠を提出しても、浮気の証拠として認められません。
違法な手段による浮気調査は、浮気調査を依頼した依頼者、浮気調査を行う探偵の両方に大きなリスクを背負うことになります。
そのため、浮気調査を依頼する方は、探偵に浮気調査を依頼する際には、探偵がどのような手段で浮気調査を行っているのか確認をして、違法な手段で浮気の証拠を手に入れたいという考えを持たないように注意してください。
